【はじめてのルールづくり(4)】復興に向けたルールづくり

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はじめに

みなさま、2024年もよろしくお願いいたします。
まずは、令和6年能登半島地震によりお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りするとともに、ご遺族の方々へ謹んでお悔やみ申し上げます。併せて、被災された皆さまへ心よりお見舞い申し上げます。

任期付公務員時代の被災経験

私自身、栃木県小山市で特定任期付公務員として勤務を始めた1年目に、「50年に一度と言われる」平成27年9月関東・東北豪雨災害に見舞われ、勤務する小山市も甚大な被害を受けました。

市は、1,025世帯、2,480人に避難勧告、1,928世帯、5,154人に避難指示を出しました。
また、市内各所では1,525戸が床上・床下浸水し、農畜産物に3億2千万円にも上る被害が出たとされています(小山市「平成27年9月関東・東北豪雨災害記録」)。

すぐに、市長の下で設置された災害対策本部に詰めましたし、多くの職員は、避難所に泊まり込みながら執務をしておりました。

復興に向けたルールづくり

こうして被災に見舞われた際に、自治体において何ができるのか。
被災された方はもちろん、自らや家族が被災された職員も、限界状態での勤務が続いていると思われます。

もちろん、生命や安全の確保が第一となります。ただ、今後は、余震に備えながらも、復興に向けた対策が考えられていくことになると思われます。

国の制度としては、災害救助法というルールがありますが、応急的な対応が目的の法律であり、期限が区切られているものです。
今後、住宅などの被害については、被災者生活再建支援法の適用を中心に検討されることになると思われます。
内閣府の被災者支援のページ

ただし、復興に向けた具体的な対応は、被災自治体に委ねられることになります。
多くの自治体では、一時的に家計を支えるものとして、見舞金に関するルールを持っているところが多いでしょう。
市町村民税など税金などの減免が図られることにも検討されるでしょう。
さらには、国の制度でフォローされていない多くの点については、自治体独自のルールで対応していくほかありません。

自身が被災自治体で勤務した身としては、これからの復興に向けた新しいルールづくりに、是非とも住民の方々の力を貸してほしいと切に願っています。
どのように、力を貸していただくのか。それは、自らの困りごとを自治体に伝えていただくということです。
そして、伝えていただく際には、自治体の職員も同じ被災者であることに少しの思いやりをいただけるとうれしいです。

もちろん、すぐに解決できる問題も、力を合わせてもなかなか解決できない問題もあると思います。
それでも、声を上げ続けていただくことが、復興につながるのではないかと、私自身の経験を通じて思うところです。

ルールは、人が善く生きるための道具です。復興に向けて、自治体と住民が協働した多くのルールが生まれることを祈念いたします。

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